ラノベやアニメ、映画、TCGなど。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 毛布おばけと金曜日の階段 (橋本紡/電撃文庫) 上手いなぁ。魔法も異能力も出てこない普通の青春群像小説なのだけど、無駄なく必要なものだけを適度に盛り込んだあっさり感といい、ナイフをさくっと滑り込ませるような秀逸な描写がたまらなく上手いです。 『リバーズエンド』のときはそれほど面白く感じなかったのですが(自分の読みが浅かったのでしょう)これはまさに直球で少年少女を描いています。 描かれているのは誰もが持つ心の歪みです。 誰が傷つくわけでもなく、誰が悲しむわけでもない。居心地のいいぬるま湯のような感覚。しかし正しいとは言えない歪みを誰もが持っています。 その歪みは時に醜いものだったり、時に卑しいものだったりするので真正面から捉えるのは恥ずかしいし辛いものです。 でもいつか正しい方向に修正しなければいけない。あるべき形に戻さなければいけない。 その際に感じる傷の痛み――それはきっと大人へと成長していくために必要なものなのでしょう。 この作品はそんなどこにでもいる少年少女の小さな歪みと、それにまつわる愛と温もりの物語です。 あ、でも毛布おばけそのものの描写が少なかったのは惜しいかも。 9/8(金)読了 評価:★★★★☆+ PR |
アクセスカウンター
カレンダー
カテゴリー
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
blogペット
アーカイブ
|