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 涼宮ハルヒの陰謀 (谷川流/角川スニーカー文庫)


 ふむ、これは物語が中盤に差し掛かってきたと判断してもいいのかしら?
 話の核自体はそこまですごいことではないです。やっていることは確かに陰謀でハルヒらしい展開なのですが、今回の見所はそこではない気がします。
 今巻の出来事によって未来人、超能力者の他の派閥の存在が明らかになります。宇宙人は「消失」の時に判明しているので割愛しますが、これによって完全に「敵」として認識できる対象ができたわけですね。今まではあくまでハルヒが巻き起こした騒動を仲間内で鎮火する話でした。それが新しいキャラクターや組織の投入によって話の方向性を飛躍的に増大させたことになります。それに伴い、朝比奈さん、長門、古泉の立ち位置と役割も確実に変質していきます。今後の動き方はどうしても後手にまわるしかない状況ではありますが、「敵」という存在が顕在化しただけでも大きな進展だったといえるでしょう。
 これから「敵」はどう動くのか、またSOS団の面々の成長と葛藤は、そして何よりハルヒはこれから何をして、どうなるのか――目が離せません。

 追記:(記憶媒体を拾った時に長門にその情報をバックアップ、解析させれば時間移動も)できるようになれたのではないですかね。あくまで想像ですが。

 6/6(火)読了
 評価:★★★★☆



 涼宮ハルヒの憤慨 (谷川流/角川スニーカー文庫)


 小休止、な感じです。てか憤慨というほどハルヒ怒ってないですよね(むしろ「長門有希の憤慨」のほうが正しい気も)。
 そんな感じの第八巻。文芸部存続、ひいてはSOS団の活動スペース保持のために文芸活動をする「編集長★一直線!」はなかなか面白かったです。各々の性格がよくでている作品で興味深いといいますか、よく書き分けられているなぁ、と感心しました。キョンの小説もオチが利いていて良かったです(僕は最後まで気が付きませんでした(汗))。
 「ワンダリング・シャドウ」はなんか普通な感じ。(機能に制限はつけたけど)、やっぱり長門最強な状況が揺るがないのは少し食傷ぎみです。朝比奈さんにはまだ時間移動がありますが古泉も活躍させないと存在意義がなくなりそうです(「陰謀」で少しは活躍しましたが)。もういちど一巻のような特殊な状況を作って古泉や朝比奈さんも活躍させ、かつハルヒの暴走力も目にしたいですね。
 まあ色んなキャラクターや設定がわんさか出てきているので、今後の展開待ちというところでしょうか。伏線もたくさんありますし、あっと驚くような話を期待しておきましょう。

 6/6(火)読了
 評価:★★★★☆-
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