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 Add 機械の謳うララバイ (仁木健/角川スニーカー文庫)


 _| ̄|○

 えー、一巻や二巻でも問題が山のようにありましたが一応のストーリーはあるのでまだ「お話の形」ではあったのです。ですが、今回はストーリーすらない。いえ、正確にはストーリーそのものが成り立たないのですよ……。
 今回のストーリーはある国でクーデターが起こり、王室の偉い方々が日本に亡命してくるという話なのですね。で、それなりの感じに落ち着かせるのですが、よくよく考えてみると明らかにおかしいのですよ。その落着のさせ方だとそもそも亡命なんてする必要ないぞ、ということになるのです。
 詳しく言いますと(王の宣言ひとつで政権を他の政党に移し、それで独裁政党の首謀者の権力が削がれるのなら亡命する前に宣言すればいいのですよ。また、陸海空軍の全権が王の手中にあるのならクーデター軍を制圧することも容易でしょうし、そもそも武装蜂起して他の閣僚を殺した人間が首相に就任することをなぜ承認してしまうのか(首相の就任には王の承認が必要)意味不明です)という感じです。
 ふぅ。他の要素も見てみましょうか。
 ぎこちない文章はなかば予想通り、今回も健在でした(汗)。特にある部分においては本気で理解するのが大変でした。こんな文です。

 『八兆ラブルと同じくらい価値のあるものを見届けたいからさ。いい機会だからお前らもよく見ておけ。こんなの例外だ、とか思うなよ。陛下を人類全体、恐怖の記憶を戦争や犯罪と置き換えて考えてみろ。そうすれば嫌でもわかるだろうよ。恐怖におののく陛下の姿こそは、一パーセントに四千万以上が含まれる今の平和の象徴だってことがな』 P242より抜粋

 本当にぽかーんとしましたよ、ええ……。比喩が分かりにくい上に、言い回しも加わって分かりにくさ倍増。どなたかさらっと理解できた方います?(涙)
 文章以外ですと、うーん、描写も上手くいってなかったですね(汗)。一巻からずっとそうなのですが、キャラにまったく似合わない言動をさせすぎです。それに心情の変化も段階的に描かれていなくて違和感ありまくりです。
 そんな感じでしょうか(一ヶ所も褒められない(汗))。良かったのはイラストでしょうか。セーラー服のアイリーンとか、下着姿のアイリーンとか、あと負けず嫌いなリアラのイラストも少し可愛かったです。
 以上でおしまい(疲れた……)。ちなみに現在の積ん読はここまでなので続きはいつか買ってきます(苦笑)。諦めずに読みますよ。絵が椋本さんなのもありますが設定は嫌いではないので。あとイラストが可愛かったので「マテリアル・クライシス」も買うかも(汗)。

 追記:そういえばちょこちょことラブコメっぽいシーンがあったりするのですが、言動が少し変に感じるのでイマイチ楽しめないです(困)。そのシーンのイラストは堪能できるのですが。

 5/24(水)読了
 評価:★★☆☆☆
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