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 いまレポートの課題図書を読んでいてふと思ったことを連ねてみようと思います。戯言なのでスルーしてもらったほうがいいかも。


 考えた、と言うより頭に浮かんできたという程度の思いつきなのですが、エンターテインメントの領域というか、どこからがエンターテインメントと呼べて、その定義は何なのでしょうか。

 僕は小説を読みますがまずライトノベルしか読みません。なぜ読むのかといえば楽しくて面白いからです。つまり僕はエンターテインメント性――娯楽性を求めてライトノベルを読んでいるわけですね。
 ではライトノベルのほかに、純文学や学術書、哲学書などをなぜ読まないかと言えばひとえに面白くないからです。「こころ」を読んでも「奥深いなぁ」とは思えど「面白い!」とは思えません。
 ですが世の中の人の大半は「こころ」を面白い(もしくは良い本だ)と言います。これはなぜか。おそらく求めるものが異なるからでしょう。たぶんですが普通の人はあまり小説を読もうとはしません。理由を問えば「難しそうだから」がかなり多い。それは小説を単純に知識を得るためのものと捉えているからではないでしょうか。つまりは知の追求、知る喜びとか、そういった類の印象が強いからだと思います。そのため「こころ」を読んで面白いと思える人は「知る面白さ」を求める姿勢から小説を読んでいるのであって、僕とはまったくスタンスが異なります。僕はあくまで娯楽としての楽しさを求めているのですから啓蒙とか新たな知識などに対してあまり興味を覚えないわけです(つまらないとは思いませんが)。


 ……言いたいことはこんなことではなくて(汗)。

 僕が小説において主にライトノベルにしか面白みを見出せないのはなぜなのか、を考えてみるわけです。そこで考えたのはフィクションとノンフィクションの境界です。たぶんこれが関係しているように思えてなりません。

 ノンフィクションには力があります。ドキュメンタリー番組の緊張感から力強さなどはリアルの出来事だからこそ得られる感覚だと思います。
 逆にフィクションには夢があります。現実には起こらない、また起こりえない設定と展開で読者に夢を見せます。ここが大事な点だと思うのですね。
 人間だれしも「ああなったらいい」「こうなったらなぁ」と夢を見ると思います。それが実現性に乏しければ乏しいほど、魅力を持ちます。できないことができる快感はきっと至上の喜びを得られます。
 ここで例えを出します。

 たとえば、買った宝くじが当たり、二億円が転がり込んでくる場合。
 たとえば、朝、目を覚ましたら魔法が使えるようになっていた場合。

 どちらが魅力的でしょう。僕なら間違いなく魔法を使えるほうです。ファンタジー好きだからという理由もありますが(そもファンタジー好きは夢見がちな嫌いがありますし)、宝くじならありえるかもしれないことだからです。つまり、現実に起こりえるかもしれないフィクションと、現実には起こりえないフィクションがあるわけですね。
 これを小説に移して考えてみるとたぶん分かり易いです。

 宝くじの例が「こころ」。
 魔法の例が「ライトノベル」。

 こんな感じです。でもこれだけではやや中途半端な気もします。なぜなら僕はライトノベルでも描写が秀逸で鮮烈なもの、リアルなものを楽しめるからです。幻想を好むのであれば現実から乖離し、地に足が着かなければ着かないほどいいかと言えばそうではありません。
 幻想世界でも現実世界に共通した認識を礎にしなければ感情移入ができないからです。現実世界に存在しない概念で書かれても意味が分からないということですね。
 ではそうしますと、幻想でありながら現実味も必要とはこれいかに、な状態ですが、僕的に考えた結果としてこういうのはどうでしょう。

 現実性を地盤にして描かれたフィクション→「こころ」
 幻想性を地盤にして描かれたフィクション→「ライトノベル」

 どうでしょうね。分かりづらいかもしれませんが僕もよく分かりません(苦笑)。ただフィーリングですね。こういう感じではないかな、と。
 そもそも前提として現実世界とその常識を礎にしている小説はどうしても現実から足を抜け切れていないため僕は興味を覚えないのかな、と思います。

 前提からしてフィクションで手の届かないファンタジーの世界観を現実と照らし合わせて確立していく行為が、感情移入できるようにリアルに近づける、ということかもしれませんね。

 そう考えるとなんだかすっきりしてきた感じがします。これに当てはめると僕が「ゴクドーくん漫遊記」を好きになれない理由が明白になったかもしれないですね(苦笑)。あれは完全に幻想を基盤にした物語であるにもかかわらず現実世界の作者が登場します。これは幻想と現実の境界を取っ払った、ライトノベルの形式としての新しさと捉えることもできますが、僕にはただ単に幻想の地盤を壊されたとしか思えなかったのかもしれません。

 僕の中ではファンタジー世界を確立するためのリアルは必要であっても、ファンタジーを崩すようなリアルは好きではない、ということなのですね。

 まあこのような感じでお仕舞いなのですが(苦笑)。僕が根っからのファンタジー好きで夢見がちな人間ということを再認識しました。たしかに友人にも非常識とか言われますし(汗)。その辺とも関係あるのかも。

 で、まとめとしましては、面白ければどうでもいいじゃん! ということで(マテ)。
 楽しめる限り、これからもライトノベルを読み続けていこうと思います。
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