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「剃刀の刃」

 哲学的な映画だなぁ。
 1984年アメリカ製作、劇場未公開。
 貴族社会の飾られた煌びやかな生活に本当の幸せや生きている意味があるのか分からなくなった男の話。
 展開は速いけど味があって面白かった。
 題材も展開もおもしろいけどあまり起伏がないせいか単調な印象を受けた。でも本作は切った張ったのアクションではないのでそこは仕方ないか。
 彼とその親友が対照的な人生を歩んでいくのがおもしろい。両者に起こる出来事に関連性があったほうがいいかとドラマティックかと思ったけど、そういう映画でもない気がする。
 生きることとは何か、幸せとは何か。
 そして最後に主人公が帰っていくシーン/帰る場所にさまざまな出来事を経て導き出した彼の答えがあるように感じられた。
 派手さはなく淡々としているが人生に疲れたときや迷ったときに見るとまた違った味わいがあるのかもしれない。


 追記:主演のビル・マーレイという俳優さんがどこかで見た顔だと思ったらゴーストバスターズの人だった。しかも本作と製作年が同じという偶然。



「ドラえもん のび太の恐竜2006」

 上の映画を超夜更かしして観終えたらテレビでやっていたのでそのまま視聴。
 映画第一作のリメイク作品。けっこう面白かった。
 どうしても前の声優陣のイメージが残っているのではじめは違和感があるのだけど、これはまったく新しい「ドラえもん」というアニメなのだと認識をリセットすると普通に楽しめた。

 表情豊かでよく動くし、恐竜たちの雄大な姿には息を呑む。
 派手なシーンは派手に揺れて、ラストは結末がわかっていても目頭が熱くなる。
 オチがわかっていても良いと思えるのは、それが普遍性のあるテーマであったりそこに至るまでの道のりに充分な説得力があるからなのだろう。漫画の大長編を読んでみても描かれているテーマ、のび太たちの意思、結末にたどり着くまでの道すじが完成されているように思う。
 それと絵面のことでしずかちゃんがサザエさん的な女の子ではなくオタク的な目線から見て普通に萌えるような可愛らしいデザインになっていて驚いた。
 CMでやっていたリルルもかわいい。
 映画としてしっかり面白かったので鉄人兵団もちょっと見たくなった。
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 年をまたぐのは気持ち悪いのでまとめて感想。


「ペイバック」

 じつにおもしろかった。
 自分の命の値段を知る男がただ7万ドルのためだけにたった一人で組織を追い詰めていく物語は熱い。
 展開は熱いけど本人はいたって冷静で、むしろ強欲で俗な悪者たちを冷ややかに見据えている様もかっこいい。
 ただフェアファックスだけはちょっとかわいそうな気がする。


「ハドソンホーク」

 楽しくて最高におもしろい。
 アクションコメディと言えばいいのかな。
 ブルース・ウィリスの気だるげな雰囲気とノリのいい相棒、小気味いいジョークにテンポのいい展開と始めから終わりまでくすくす笑いながら楽しめる作品。
 泥棒の話ではあるけどシリアスな空気を求めてはいけない。
 アニメのルパン三世みたいな感じ。こういうの大好き。


「PLANET OF THE APES/猿の惑星」

 有名な作品なのでなんとなくオチは知っていたのにラストで驚いた。というのは意味がよくわからなかったための驚きで、あとでネットで調べてみたら理解できた。SFに造詣が深くないとちょっと難しい。
 普通におもしろかった。
 もともと古い作品ではあるけどリメイク(?)作品でCGはすごいし、話の骨子は古臭さを感じさせない。
 個人的に猿のアリが可愛らしく見えて困った。猿だけどあそこまでいくと人間となんら変わりない気がする。人間的でとてもかわいい。


「地底の原始人キング・ゴリラ」

 映画天国の選定センスはほんとに素敵。
 「猿の惑星」に続いて猿に近い原始人が出てくる映画。40年前のイギリス作、劇場未公開作品。
 おもしろくはなかった。
 タイトルから分かるようにB級臭全開の設定と演出。古い映画なので演出の乏しさは仕方ないか。
 やろうとしている話自体は悪くないと思った。だけど二時間の尺で表現しきれていないのでB級と呼んでいいのかすら分からない中途半端感が漂っている。
 せめて博士は怒鳴ってはいけないという自分の言葉を最後まで守ってください。そこがとても引っ掛かった。


「Dr.Tと女たち」

 オチで救われたといっていいのかな?
 確実に女難の相が出ているハンサム婦人科医があらゆる女たちに翻弄されるラブコメディ。
 おもしろいけど男の視点から見るとどこか笑いきれないつらさがあった。
 男である僕は女たちの奔放さ、かしましさに振り回される主人公に当然のように同情してしまい、坂を転げ落ちていくような展開に笑いとそれ以上のはらはらドキドキ感を味わった。
 どこかでもうすこし開き直れていれば違ったのだろうか。
 こういう映画を見るとつくづく思うけど女の人って分からない。
 それと健康的で明朗なブリーがとても綺麗かわいくてよかった。でも、主人公を突っぱねてから誘うあたりはちゃんと考えてやっている設定なのだろうなぁ。


「日本沈没」

 失礼だけど思っていたより格段におもしろかった。
 演技や演出より日本が具体的にどう沈んでいくのか、ビジュアルとして描かれるとこれがけっこう恐ろしい。
 逆に映画なので人死にを凄惨に描けない制約があるのは惜しい。
 もっと自然の脅威を無慈悲に描いていればあまりに救いのない展開に絶望できたはず。
 ラストのオチはかなり無茶してるので前段階としてそれくらい突き落としてくれてもいいのではないかと思う。



 母が観ていたので遅めの晩ご飯を食べながらなんとなく便乗視聴。
 なかなか面白かったです。
 ドラマ版はぜんぜん見たことないのですが劇中でそれとなく特命係の立場などが描かれているので入りやすかったですね。
 謎が謎をよぶ展開、最後の西田敏行の取調室での熱演と水谷豊の冷静な情熱。
 原作をまったく知らないにもかかわらず楽しめました。



 エイミー・アダムスという女優さんが演じているジゼルが二次元三次元問わず可愛いです。
 この女優さんは「ナイトミュージアム2」のアメリア・イアハートも演じていたのですね。
 なるほど、可愛いわけです。

 ディズニー製作、おとぎ話のお姫様が現実世界のニューヨークに迷い込んでしまう不思議なミュージカル映画。
 普通に面白かったです。
 現実世界の住人とおとぎ話の世界の住人の常識にあまりの隔たりがあっておかしいです。
 ラノベだと「ゼロの使い魔」、映画だと「ラストアクションヒーロー」や「ドラえもん のび太のドラビアンナイト」に似ているでしょうか。
 ジゼルだけでなくエドワード王子らのファンタジックな思考は現実だとかなり“あぶない”人に見えてしまうのが笑えます。

 しかし、ロバートがそうであったように現実にも善良な人間はいるもので、そうした人々に囲まれたときのジゼルは純粋な善として何よりもまぶしく輝きます。
 街中で歌いながら人々を惹きつけ、みんなの中心となって踊る彼女は誰よりも美しく、その光景には感動さえ覚えます。
 こういう極限の善というものは見ていると自分の心を浄化してくれるような気がしてむずがゆい心地がします。でも嫌いじゃないです。
 「ミリオンズ」という映画を見たときもそうでしたが、正しくあることが当然であるという恥ずかしくも誠実な生き方を見せ付けられていてもたってもいられない気分になるのですよね。
 これはなかなか大事なものじゃないかと僕は思います。

 またラストのオチはちょっと意外に感じました。
 でも流れからいえば自然ではありますね。
 ジゼルやエドワード、そして彼らにかかわるすべての人々が幸せであるように願わずにはいられません。



 人間と吸血鬼が禁断の恋をする物語。
 うーん、まあまあかなぁ。

 吸血鬼にも派閥のようなものがあり、他家の吸血鬼が現れたシーンがある意味もっとも面白かったです(これから面白くなる期待感が最高潮に達したシーンです)。
 でもこの映画は種族の壁を越えて描かれる恋愛映画なのであまりバトルしません。あくまで恋愛が主軸。

 恋愛ものとして見るとちょっと惹かれ合うまでが速いかなと思います。
 吸血鬼側はいいとして、人間側が彼に強く惹かれる理由が描かれていたかな……。

 とりあえず狼の種族というものが仄めかされているので続編が気になります。
 できればバトルとか、そういった方向にも多少期待したいです。


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