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 SCAR/EDGE2 烙印よ、虚ろを満たせ。 (三田誠/富士見ファンタジア文庫)


 ああもう、面白いなぁまったく。
 「にゅうっとグランプリ!」で金メダルを受賞した三田さんの『SCAR』二冊目。
 良くも悪くも三田さんな超王道展開を見せてくれました。虚を突くようなトリックはないものの、きめ細かな設定と扱い、流れるようなキャラクターの行動、丁寧に加速された物語が読んでいて心地良いです。
 一巻で楽しめた人ならまず楽しめるでしょう。ただ目新しさというもののない無難な作風なので、地味さに負けず、着実に堅実に今後も物語を積み上げていって欲しいですね。


 8/20(日)読了
 評価:★★★★☆+





 SCAR/EDGE3 烙印よ、想いを蝕め。 (三田誠/富士見ファンタジア文庫)


 あーやばいやばい。話が止めどなく転がっていく。

 『SCAR』三巻。あとがきで書いてあるように起承転結の「転」の巻です。
 物語はどうしようもなく、ずんずんと前に進んでいきます。しかも序盤で繰り広げられる日常の断片――その平和と穏やかさが心に浸透したところであの急展開。一気に加速する物語が予断を許しません。
 そしてかつての事件のすべてを必然に導いていく、<名もなき七人>の解明に関しては身が震えました。
 さらに勢いの衰えないアクション描写の秀逸なこと。読んでいて脈が早くなりそうです(笑)。
 
 ちなみに今回のあの人が画策したのは(Vガンダムで言うところの「エンジェル・ハイロウ」のような)効果を狙ったということなのですね。正しいといえば正しいのですがあまりに極論なのですよね、こういうのは。けっして間違ってはいない主張でありながらも賛成することはできないと、いう。

 あと数冊でまとめに入るようですが、できればハッピーエンドにしてもらいたいですね。そうでないと彼らがあまりに不憫すぎます(泣)。
 早く続きを読みたいです。


 8/20(日)読了
 評価:★★★★★-
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 レンタルマギカ 魔法使い、修行中! (三田誠/角川スニーカー文庫)


 アディが凛々しくて、可愛いなぁ。
 六冊目は前回に続いて短編集です。位置は三冊目の長編の後、ようやく時系列的に順番通りになりました。

 「魔法使いと赤い槍」はまなみ、メイド服を着るの回いつきの修行話。ありきたりな話ですが本編にも関係のあるところは気が抜けないというか何というか。いつも通りな感じ。

 「魔法使いとクリスマス」は何でもない話。やっと本編に関係のないただの小話です。良かったですわ~。こういう何気ない日常が短編の醍醐味だと思うのですが、今後も……期待できそうにないですね(苦笑)。

 「魔法使いとソロモンの血」はわりと重大そうなゲーティア内部の内輪もめの話。なぜかメチャクチャ面白かったです。
 アディの魔法が使えなくなる話で僕はこういう絶対的に弱い立場から状況を覆そうとする話が大好きなんだなぁ、と再確認しました。
 アディのプライドの高さ、凛々しさ、そして微量のいじらしさ。可愛く格好よかったです。

 「魔法使いとソロモンの絆」は「ソロモンの血」の裏側の話。実は一巻の事件の真相までポロッと書かれている大事な話。こういうシリアスな話が本質なのかなと思いました。

 総じて今までの中では一番おもしろいと感じた短編集でした。
 早く長編だしてくださいー。


 8/19(土)読了
 評価:★★★★☆-



 レンタルマギカ 竜と魔法使い (三田誠/角川スニーカー文庫)


 今巻は穂波の回。でもアディリシアが可愛いなぁ(爆)。
 四巻で長編の三冊目です。
 今回はいつきの魔眼にまつわる話、と捉えていいのかな。正しくは過去の<幽霊屋敷>での出来事の記憶、そして魔眼を何とかしようとする穂波という内容です。
 展開や細部に至っては三田さんらしい手堅さで抜け目ないのですが、あまりに類型的な王道展開なので少し物足りなさも感じます。また微妙に説明不足な印象もありました(たとえば(生まれたてにしても<竜>なんかを軽々しく生贄にできるのか)とか)。
 でもまあ、魔眼の濫用に関連付けて話を起こしたのは個人的に好感を持てました。こういう意味もなく主人公の周囲で事件が起こりまくる「探偵要素」みたいなものに「人間原理(だったかな?)」で片付けず一応の理由をつけるのは好きです(『Missing』とかまさにそれです)。
 新キャラの隻漣もいい感じですし、前巻よりは楽しめました。
 明確な敵組織っぽいのも登場していよいよ本格的に世界が動き出しそうなので今後が楽しみです。


 8/18(金)読了
 評価:★★★★☆





 レンタルマギカ 魔法使いの宿命! (三田誠/角川スニーカー文庫)


 なんで海の話で水着の挿絵がないんですかorz 「ザ・スニ」購読しないファンへの仕打ちですかそうですか。
 短編集も二冊目。二巻と三巻の間の話を収録。

 「魔法使いと夏の海」はまなみの回。短編らしい短編でしっかり纏まっているのですがこぢんまり感は変わらず。三田さんはもっと大掛かりな仕込みと演出をするほうが向いてそうですね(汗)。

 「魔法使いと学校の怪談」は可愛らしいちびアディとちび穂波の昔話を聞ける話。口絵なんかもちっこくて可愛いです。内容はまあ、いつも通りの三田さんの短編です。悪くはないけど普通すぎるお話。

 「魔法使いと星祭り・前後編」は猫屋敷の回。どうやら猫屋敷は活躍の場面で重症になる宿命にある様子(苦笑)。「天才VS凡人」の構図は判りますが、ちと主人公勢が強すぎる感があります。長編では天才しか出てこないので問題ないのですが。

 いつきの魔眼が出てこないのはマンネリ回避としてもいい感じです。
 ただ思うのですが、そもそも三田さんは短編、そしてコメディーには不向きな気がします。短編でも扱うのはシリアス風味な話ばかり。どたばたのスラップスティックな話はほとんどありません。
 不器用というか真面目というか、キャラを崩すのが苦手なのでしょうか。本編のほうでがっちりと楽しませてもらいたいです。


 8/18(金)読了
 評価:★★★★☆-



 レンタルマギカ アディリシアの優雅な一日 魔法使い、集う! (三田誠/角川スニーカー文庫)


 アディの優雅な一日も読みたかったかも(苦笑)。
 短編集の三巻です。
 位置的には一巻と二巻の間に起きた出来事の数々です。

 「魔法使い、貸します!」は黒羽まなみが登場する話。ページ数が少なすぎてあっさりしすぎな感が。もっと飾り立ててまなみを描写してほしかったですね。

 「魔法使いと花泥棒」も同じく短すぎて物足りないです。設定は悪くないのですが。

 「魔法使いと夏祭り」はみかんの活躍がいい感じでした。「神降ろし」という単語もちょっと好き。
 ただし、どうしても分量が少ないので、みかんのせめぎあい(苦悩との戦いとか)を濃くして欲しかったかも。

 「魔法使いと肖像画」は猫屋敷が格好いい――というより「実は裏があって強いんですよ」と伏線を張られただけのような話。昼行灯が実はっ、みたいな展開は好きなのですが、こうもあからさまに裏設定をほのめかされるとワクワク感が半減しそうです。

 そんな感じで<アストラル>社員が各話で活躍する短編集でした。
 それと最後に必ずいつきが眼帯を取ってしまうのは何とかして欲しいです。今のところ代償もほとんどありませんし物語の緊張感が削がれてしまいます。
 全体的にいま一歩、というより短編に向いてないっぽいですね(汗)。
 長編で頑張って欲しいです。


 8/16(水)読了
 評価:★★★☆☆+



 レンタルマギカ 魔法使いVS錬金術師! (三田誠/角川スニーカー文庫)


 あれ? そこまで面白くない。過剰に期待しすぎていたのかな? うーん……。
 魔法使いバトルの二巻。
 話に奇抜さはなく、普通すぎるのが特徴と言えば特徴なのですが、ちょっとこぢんまりと纏めすぎてる気もします。もちろん設定上の綻びがほとんど見られないのとしっかりと計算された展開は充分及第点なのですが、それだけに頭抜けて面白いとは思えず。ラブコメ分も少なくなった気がします(アディリシアの出番が少なかったですね)。
 あと黒羽。短編に出てくるキャラらしいのですが短編集は三巻の予定。つまり「ザ・スニ」読者でないと当然のように居座る新キャラに戸惑うわけでして。僕は始終、この黒羽の違和感が拭えませんでした。
 三巻が短編集でちゃんと黒羽との出会いも収録されているようなので、もっと楽しく読めるかもしれませんね。


 8/14(月)読了
 評価:★★★★☆-


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