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 ゼロの使い魔 (ヤマグチノボル/MF文庫J)


 う~ん、「銃姫」の後に読むと薄っぺらく感じてしまいますね(困)。
 設定は簡単で主人公の高校生がファンタジーな異世界に召喚されてしまうというもの。
 内容はラブコメなのですが描写が弱い気がします。「銃姫」の後だからかもしれませんが、今どきの高校生が異世界に召喚されたりしたらこんなテンプレートな反応・思考はしないと思うのですね。もっと慎重に周囲をうかがいながら状況を把握していこうとするはずです。
 そんなわけであまりリアルな緊迫感や展開は求めず、気軽にラブコメを楽しんだほうが良さそうです。
 とりあえず二巻以降に期待です。

 追記:なんだかルイズがシャナに見えてしまう……。絵は似てないのですが性格が似てるのかしら?

 7/1(土)読了
 評価:★★☆☆☆+
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 銃姫③ (高殿円/MF文庫J)


 順調に面白いです。前後編の前編です。
 自分が何者かを知りたいセドリック。
 祖国復興の旗印として最善を尽くそうとするアンブローシア。
 大人になっていくセドリックに困惑するエルウィング。
 三人が三人とも自分の求めるもの――在りたい自分の姿――を見つけようとし、見つけた者はそれを手に入れようと構えます。
 あくまで前編ということですべては下準備です。一時的とはいえ目標を見つけたセドリックのひたむきさが良かったです。何かに打ち込む熱というものを感じられました。普通にセドリックの職人話に展開しても楽しめそうな気がするのですが(笑)そうは問屋が卸さないようです。アンもアンで厄介な状況にはまり込んでいきそうですし、エルは……どうなるのでしょう。
 とにかく後編を読まないといけません(苦笑)。ただで終わらなそうな気がして怖いです……。

 6/28(水)読了
 評価:★★★★☆



 銃姫④ (高殿円/MF文庫J)


 エル……_| ̄|○

 「そっちかよ!」と突っ込みが入るかもしれませんが個人的にはエルが……orz
 なんでこうも高殿さんの書く話は僕を落ち込ませてくれるのだろう。まあそれは置いといて。
 後編です。えげつない上にえぐいです……。高殿さんは生易しくないことが分かりました。
 えー、前回からの展開を素直に続けて三人の心に傷を与える もとい現実の厳しさを味あわせて成長させていく、という感じですね。
 アンの描写は少ないし、エルはこれから先が正念場っぽいのですが(個人的にはエルが一番ショッキング)、セドリックが悲惨すぎます。あまりに生々しく現実――大人の汚さや子どもの無邪気さを真正面から受けてしまいます。彼がその光景をまざまざと見せつけられるシーンがたまらなく痛々しいです。
 でも実際にこの話が現実だったらこういう展開も充分に考えられます。ゆえにリアルなのですね。戦争の血生臭さ、人間の醜さ、そして彼の悲哀……。
 読んでいて多少、目を逸らしたくなりました。高殿さんは人の心理というか、本音を抉り出すような描写が得意みたいです。的確に真理をついているからえげつないのですが、つまらないのかといえばやっぱり面白いです。
 とりあえず今後のエルの動向が気になります(やっぱりそれか)。それと(健気で無垢だったキトリに黙祷)を捧げます……。

 6/29(木)読了
 評価:★★★★★-



 ラスト・ビジョン (海羽超史郎/電撃文庫)


 このセリフが心に響きました。

>「あのコを止めて。儚い夢――ビジョン――が走馬灯――ラストビジョン――になる前に」

 面白かった! 声を大にしてそう叫びたい。
 荒いといえば荒い部分はあります。独特な文章はそのままでストーリーや設定が複雑で分かりにくいです。でもそんな些細な欠点を補って余りあるほどに楽しめました。
 前作よりも文章は上手くなったと思いますし、キャラクターの描写もクセはありつつも非常に生き生きとしていました。話のテーマも興味深く、またそれが強く話に関わってきます。そのど真ん中で悩み、奮闘する主人公が最後まで諦めない姿もかっこいい! 
 僕が(タイムループ)ネタに不慣れなせいで過剰に楽しめた可能性もあります。それでも、タイトルの「ラスト・ビジョン」という言葉がちゃんと意味を持って使われた「あのシーン」に至ったとき、じーんときましたね(苦笑)。楽しかったです。
 間違いなく心に残る一冊でした。この本に出会えて良かったです。
 あわよくば、海羽さんの次の本を読みたいのですが、二冊目のこの本を最後に消息が……(悲)。非常に残念です。

 6/27(火)読了
 評価:★★★★★



 天剣王器 Dual Load, Reversion (海羽超史郎/電撃文庫)


 <選考委員奨励賞>というのがもの凄く分かる作品です(苦笑)。
 ストーリーがいまいち判然としないのは細かな設定を理解できなかったからでしょうか。いえ、何をやってどうなったかは分かりますが細部の説明は理解できず、物事の因果関係がよく分かりませんでした。
 文章は独特でどこか味がありますね。ただ説明が不足気味であったり戦闘の描写がいま一歩だった気がします。
 ですがそれらを補って余りあるほどに熱意が伝わってくる作品でした。緻密に練られた設定に勢いのある展開、キャラ造形は……そこそこだったと思いますが(苦笑)。とにかく好感の持てる作品だと思いました。
 もっとストーリーを分かりやすく説明を丁寧にしてくれればきっと面白くなるはず。次作に期待です。

 6/26(月)読了
 評価:★★★☆☆+



 約束いんぽっしぶる となりのあの娘は狙撃兵 (六甲月千春/富士見ファンタジア文庫)


>今回は小ネタが当社比三パーセントの六甲月千春です。

 いや、小ネタを減らしちゃダメな気が……(汗)。
 「まほうとゆびきり」の六甲月さんの新シリーズです。女性版「フル・メタ」というか六甲月色の「めがねのこころ」というか、どこかで見た感じのミリタリー・ラブコメです。
 ヒロインが常識はずれな感覚の持ち主だったり主人公が典型的なへなちょこだったりと、あまりにテンプレ通りでありますがそれは良いとします。で、見過ごせなかったのは六甲月さんの特徴的な作風(?)である「山なし谷なしのゆるさ」が足かせになってしまっているところです。今作はラブコメながらも銃器を扱った戦闘シーンがあり、そこで緊迫感を漂わせないといけないのですがどうにも足りないのです。そもそもシリアスな戦闘や切ない描写には向かない暴走系一人称なので難しいと思います。
 結果、起伏に欠けるストーリーでちょっとグダグダな感じでした。やっぱり六甲月さんは無理に「萌え」とか狙わずに不条理コメディーで暴走するほうが似合っている気がします。できれば路線を元に戻して欲しいのですが、どうなることやら……。

 6/22(木)読了
 評価:★★☆☆☆+


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