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 ひなた橋のゴーストペイン (有澤翔/電撃文庫)


 オーソドックスでいい話ですねぇ。
 『もしも時間を戻せたら』という仮定が成り立つ、不思議な橋にまつわるおはなし。
 短編三話とそれらをつなぐ幕間で構成されています。

 一つ目は親友たちの信頼に報いる話。
 途中で少年が二人を信じられなくなるところは自己中心的であまり共感できず、正直うっとうしく感じたのですがその後の“手紙”の部分では心があたたまりました。
 少年本人もわかっていながら思うようにいかないのがつらいですね。
 そして親友たちの優しさが身に染みる終わり方でした。

 二つ目は大切な少女のために奔走する少年の話。
 これは一番せつなくなる話でした。
 扱っているテーマが時間遡行ものではもっとも基本的な「もしあの人が死ななかったら」で、王道をいきながらやっぱり悲しくなりますね。
 結果はああいうふうになりましたが、何度も何度も駆けずりまわって少女のために尽くそうとする少年がいたいけでどうしようもなく空しくなりました。

 三つ目は無愛想な少年の心を溶かす少女の話。
 僕はこういう天真爛漫な少女と無口無愛想な少年の組み合わせって好きだなぁ、と再認識(笑)。
 三つのなかでもっとも好きな話です。
 少女の快活さはうっとうしくない範囲のもので、人を思いやることもできるのでとても好感が持てました。
 また少年のほうも偏屈というほどでもなく、意外に素直で優しい一面もあって無愛想な性格とのバランスがよかったです。
 最後のマンションでのシーン、少女の義憤があまりに正しくてまっすぐで、心にくるものがありました。

 幕間も含めて清々しく、切ないけれど優しく心あたたまる話ばかりでした。
 水上カオリさんのイラストも作品のやわらかさとマッチしていて素敵です。
 こういう雰囲気の小説もたまにはいいものですね。
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