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 ちーちゃんは悠久の向こう (日日日/新風社)


 ようやっと日日日さんの作品に手をつけてみました。
 たしかにこれはすごい。まるで新人らしくない作品ですね。賞を取るのも納得。

 話はちーちゃんが不思議な子という設定で始まるのですが、徐々に暗く陰鬱な方向に進みます。そして最後にはちょっとホラー風な幕。
 印象としては「普通」でまかり通っていた日常をゆっくりと壊していくような背徳的、エッジの利いた後味の悪さが残りましたね。
 構成も上手く、文章が非常に読みやすいです。この読みやすさは橋本紡さんっぽいかな。谷川さんとかの流暢さとは若干ちがうような。

 内容はただ崩れていくだけなのにどこか身に詰まされるような息苦しさも感じます。それはきっと、これが青春小説としても読み取れるからなのでしょうね。
 序盤のちーちゃんは不思議に憧れるただの女の子で、後半は変貌してしまいます。これをただそういうものとして受け止めてもいいのですが、僕としてはもう一つの可能性のほうが痛々しくてたまらないです。
 それはちーちゃんが(幽霊を見えるようになった、というのがすべて嘘、もしくは幻覚の類だった場合です。本人の自覚の有無は関係なく、そういったものの実在を証明することは誰にもできません。別に狂言だったからちーちゃんは嘘つきだ、なんて言いたいのではなく、たとえば『コスチューム!』のような感じです。思春期の欲求と感情が現実にありはしない、もしくは本人以外の誰にも感知できないものを見せてしまう。そんな場合、ちーちゃんは異常の世界に踏み込んでいて、逆に武藤先輩などは普通世界の象徴なわけです。ちーちゃんとの関わりでどちらの世界にも繋がりのあったモンちゃんが白先輩を選んだとき、ちーちゃんは完全に普通の世界との繋がりをなくしてしまったのですね。)当たり前のことかも知れませんが書きたかったので書きました。話の流れ的には前者なのですが(ラストのシーンもありますし)、後者の場合だったと仮定するとこのちーちゃんという少女が果てしなく痛々しく感じられます。やりきれません。

 長々と書いてしまいましたが作品全体としてはとても面白かったです。これを(おそらく)直感的に書いてしまえるのは才能なのでしょうね。
 他の作品も楽しみです。

 追記:ちーちゃんも可哀相ですが武藤先輩も可哀相。一番好きなキャラでした。

 追記2:解説の作家さんの人となりを知らないためか、傲慢な感じの態度が不快でした。

 追記3:そういえば作中に「屍薔薇姫」の名前が出てましたね。たしか電撃の選考で落とされていた作品の題名が「鮮血! 屍薔薇姫!」みたいなタイトルだったと思います。なんで落としちゃうのかな、電撃。読みたいのに……。


 10/26(木)読了
 評価:★★★★☆+
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