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BAD×BUDDY 12月の銃と少女 (吉田茄矢/富士見ミステリー文庫)


 もしかしたら外すかなぁ、と懸念を覚えつつ読んでみました。海外刑事ものです。
 エリート刑事のホンダ(女難の気アリ)はその直情径行の性格のせいで地方へ左遷されてしまい、やっぱりその一直線な性格のせいで危険な事件にわざわざ自分から首を突っ込んでいく話です。
 うん、意外なほどに面白いですね(笑)。ちょっと驚きました。富士ミスの最終選考作品ということで危ないかな、と思ってましたけど普通に面白いです。
 一人称で自嘲気味な文章(ハードボイルドなのかな?)は語彙が豊富でキャラとの掛け合いもテンポがよく、描写も結構しっかりしてます。基本的に文章力があると思いました。
 キャラクターも立っていて自然な会話を読めるのはいいですね。ちゃんとアメリカ臭さ(誉め言葉)が滲んだ言葉づかいでハードボイルド好きな人は充分楽しめるかと思います。
 また当然ながら事件を追っていくわけですがストーリーはちょっとひっかかるところが。物語の筋道がぶれていくというか、あれ何を目指してたんだっけ、みたいな風になりがちです。僕はちょくちょく前ページを読み返しながら進んだので平気でしたが本筋についての説明(整理)をもっと分かりやすくすれば良かった気もします。
 それでも文章がしっかりしてるので全体的に楽しめました。最後のあたりは少し幻想気味の終わらせ方ですがそれはそれで個人的には満足。そこにたどり着くまでが波乱続きでホンダの必死さが涙ものだったので最後くらいオッケーですよ。許せちゃいます(笑)。
 ホンダだけでなくウォルターやヴィスコも味があったし最後は感動できて楽しかったです。満足満足。

 追記:個人的にイラストも良かったです(笑)。

 4/19(水)読了
 評価:★★★★★-



BAD×BUDDY2 サウス・ギャング・コネクション (吉田茄矢/富士見ミステリー文庫)


>ホンダさんなんかね、左遷されて当然なんだよ!
 その通りだと思う(笑)
 刑事もの二巻です。なんだか前巻とあまり変わってないなぁ(苦笑)。それが実力の証明として良いと捉えるか、進歩のなさとして悪いと捉えるかは置いておきまして。
 とりあえず言えることは面白かったということ。相変わらず文章はきっちりしているし、キャラも(ヴィスコは例外。ご都合キャラっぽかったのがちょっと……)それなりに立っていて会話が面白いし、物語もいちおう綺麗にまとまっています。
 それでもやっぱり見えにくくなる話の本筋とかは仕方ないのかしら。進展の解説(整理)を頑張ればもっと分かりやすくなると思うのですが。今のままですと話が複雑に転がってあっちこっちに場面が飛んでごちゃごちゃしたあげく、把握しきれないうちに解決してしまう、そんな感じなんですよね。もう少しさっぱり明快にできれば取っつきやすくなると思うのですが。
 まあそれでもキャラ(特に今回もホンダ)が素晴らしかったので満足です。見ていて呆れるほど一途で熱いホンダは同じ男としてちょっとまぶしかったり(苦笑)。死ぬ思いで駆け抜ける姿は格好よかったですね。あとヴィスコですが最後のアレは反則な気がしました。意外に可愛いらしい側面が見えたので許しますけど(爆)。
 次が出たら買うつもりですが、ちゃんと出るのでしょうか?(けっこう不安) 万人受けはしなそうなのでそこが心配です。

 4/20(木)読了
 評価:★★★★☆
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