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 終わりのクロニクル1<下> (川上稔/電撃文庫)


 いやはや、これは面白いですね。
 概念や言葉を使った裏をかくような戦い。好きです。

 下巻を読んでいてやはり感じたのですが、文章に克明な描写が多いですね。鋭角的な印象があります。ほんわかした話が好きな方には合わないかも。
 ただ主人公の佐山・御言が合理的な人間なので文体と合っているとも言えますね。

 内容は引き続き1-stGとの全竜交渉。事前交渉の言葉遊び的な掛け合いは見ていて感心しました。
 よくあんなことを考え付くものですね。確かに現代日本のシステムを上手く利用した言い分です。
 そしてシリアスな話の合間に挿入されるバカ話も素敵。温泉の場面ではつい噴き出してしまいました。佐山のむっつりスケベっぷりがお腹痛いです。

 最後の全竜交渉では各々が戦いに戦って、やや量が少ない気もしましたが全体的には満足いきました。
 やっぱり佐山の啖呵が格好良いですねぇ。キャラがキャラなだけにああいう姿が似合いすぎます。

 これで最初の全竜交渉はお仕舞い。次巻はなるべく早いうちに読みたいのですが、まあレポ・試験明けかな……(汗)


 12/13(水)読了
 評価:★★★★☆+





 ストロベリー・パニック!3 (公野櫻子/電撃文庫)


>「――下着が見えそうだよ?」
> 穏やかに天音が言う。
>「ええっ! や、天音様見ないでください――」
> たちまち赤面してスカートの裾をおろそうとする光莉。
> 天音は真剣な顔つきでその手をぎゅっと握って止めた。

 天音ー!(笑)

 天音・光莉ペアが素敵です。
 正統派百合を謳うストパニ最終巻。

 全体的にそこそこ楽しめました。
 エトワール選がどうにも物語の軸になりきらなかったのがちょっと心残りといいますか、惜しい気もします。
 その代わりに渚砂と静馬、天音と光莉がそれぞれで抱えていた問題を、エトワール選を通すことで解消していく様は見ていて心地よいですね。
 個人的に渚砂・静馬ペアより天音・光莉ペアのほうが好きなので贔屓目がありますが、それを差し引いても天・光ペアのほうが悩みの形がはっきりしていた気がします。
 どうにも渚・静ペアの問題は曖昧というか過去の話が絡んできますので、もっと紙面を割いてじっくりやらないと二人の絆を表現しきれないのではないでしょうか。

 それとこの2ペアを支える脇役たちがとても切ないですね。
 渚砂なら玉青。静馬なら瞳・水穂。天音なら要。光莉なら夜々。
 みんな想う人の幸せを願い、それを一番に考えて行動する彼女らが健気でなりません。

 渚砂と静馬もそうですが、天音と光莉も頑張れー!と応援したくなりますね。今後の彼女たち、そして彼女たちを取り巻くすべてのアストラエアの女性徒に幸多からんことを祈って――


 12/14(木)読了
 評価:★★★★☆
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